誰もが明るく暮らせる豊島区へ。
2023-12-12

11月13日開催居住支援セミナーでの質疑応答について

令和5年11月13日に、講演豊島区居住支援セミナー「高齢者に安心して住宅を貸し続けるために知っておきたい最新情報」を開催しました。
当日は、約120名の方に参加いただき、講演とパネルディスカッションを行いました。
当日にいただいた質問にお答えします。 

1.不動産会社や大家さんが高齢者総合相談センターに相談する際、個人情報保護法の関係での留意事項があればご教示ください。当該センターに入居者等の個人情報をお伝えするのは特に問題ないのでしょうか。

【回答】
日常のやり取りの中で、ご心配な様子をキャッチした場合は、高齢者総合相談センターへご連絡をお願いします。
「お困り(不安)なことを高齢者総合相談センターへ相談したらいかがですか。こちらからもセンターへ電話しておきましょうか。」と話し、伝えることの承諾を得た上で連絡をする。
 承諾を得ていない場合は、「ご本人に承諾を得ていないのですが」と前置きをしていただき、個人情報を伏せてご心配をされているエピソードをお知らせください。相談内容に応じて対応いたします。(豊島区居住支援協議会事務局) 

2.民間にできることは限られています。行政主体の豊島モデルが、なぜできないのでしょうか。総合感のある法整備とか条例とか必要ですし、もっと大胆な組織、仕組みづくりが必要です。とにかく実行してみて、不都合があれば、その都度に変えていくというマメさが、どうして行政主体でできないのでしょうか。どこに問題があるのでしょうか。 

【回答】
高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者への対応については、行政が主導するのではなく、豊島区、居住支援協議会、実際に現場で対応されている不動産事業者、居住支援団体等、各主体が緊密に連携をとりながら行うことが重要であると考えます。一方で、各団体・事業者等、各主体の立場や、強み、抱える課題等は多様であり、連携にあたっては、情報共有や意見交換等により、そのギャップを埋めていく必要があると考えます。
 居住支援協議会では、今回の取り組みをきっかけとして、行政を含めた各主体の連携による住宅確保要配慮者への効果的な支援方法を模索していきます。(豊島区居住支援協議会事務局) 

3.早期発見の場合は孤独死に相当しないというガイドラインについて、この場合の「早期」の定義について、もしくは、定義の状況について、教えてください。 

【回答】
告知しなくても良い場合とされているのは、自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)ですが、事案発覚からの経過期間の定めはありません。それは、季節や室温(エアコンが作動していたか否か等)で状況が変わるためです。自然死等でも「特殊清掃等が行われた場合」は告知が必要とされているため、「特殊清掃が必要となるようなご遺体の損傷がない状態」であれば、告知は不要とされていると考えられます。詳しくは、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を参照ください。(第一部講師) 

4.R65不動産様などをお客様にご紹介する場合は、特に私共の売上、利益になるという考え方ではなく、無償でのお客様へのボランティア、のような形になるということでよろしいでしょうか。 

【回答】
はい、そうです。自社物件以外で高齢者が入居できる物件を探すのは大変ですので、自社でできない場合に「うちではできないけれど、この会社に行ってみたら?」と教えて差し上げるという状況を想定してお話ししました。(第一部講師) 

5.安心して暮らし続けられる地域づくりの一環として、今後どのような形で民間企業と連携していく必要があると思いますか。また、その民間企業にどのような事を求めますか。 

【回答】
豊島区協議会では、不動産団体と連携し、要配慮者の入居を拒まない住宅の仲介や、不動産店への福祉的事業の紹介と意識啓発を引き続き行ってまいります。(豊島区居住支援協議会事務局) 

6.高齢の男性と女性の比率はどれくらいでしょうか。 

【回答】
令和5年10月1日現在、65歳以上の方は、56,664人で、男24,455人(43.2%) 女32,209人(56.8%)。75歳以上では、31,237人で、男11,832人(37.9%) 女19,405人(62.1%)です。(豊島区居住支援協議会事務局) 

7.問い合わせに対して成約率はどのくらいですか。 

【回答】
豊島区役所の入居相談グループが相談窓口になっていますが、物件探しについては居住支援法人や協力事業所へ依頼し、直接やり取りをしてもらっているため、成約率は把握していません。しかしながら、当初依頼したところで対応が難しい場合は、別のところに依頼し直し、最終的には、転居できています。(豊島区居住支援協議会事務局) 

8.現場での失敗事例、苦労した事例をもう少し詳しく聞きたい。 

【回答1】
物件の希望を聞いて物件探しを行うが、現実的ではない場合が多い(希望の広さと希望家賃のミスマッチ。希望地域と希望家賃のミスマッチ、希望設備のミスマッチ等々)。探しても見つからない、申し込んでも審査に通らない等を繰返して徐々に条件を緩和していってもらうが、中々条件を現実的なレベルに変更しない相談者の場合は苦労します。 
【回答2】
安否確認をする場面で、対象者の関係者がなかなか判明しないことがあります。(豊島区居住支援協議会事務局) 

9.人の死に関するガイドラインが策定されたものの、入居者としては「3年終わっても告知してほしかった」という実情。よって当社では3年以上も告知しているが実態はどうなのか。ガイドライン策定がゴールではなく、その後の運用に関するケース、トラブルなども知りたいです。 

【回答】
告知が不要なケースでも入居者から事案の有無について問われた場合は告知が必要となりますが、ご質問は「問われなかったけれど後から発覚した」という状況を想定されていると思います。告知しなかったことに問題はなくとも、入居者との関係が悪くなることは考えられると思われます。同業他社に聞いた範囲では、ガイドラインに則って告知していないという会社もあれば、ご回答者様と同様に告知不要とされているケースでも告知する会社、大家さんの意向や個別の状況で告知するかしないかを変えている会社もあります。ガイドライン策定から2年経過しましたので、運用に関するアンケート調査等が実施されることを期待します。(第一部講師) 

10.夜中に入居者死亡の事実が判った場合、だれが即座に現場対応するのか。 

【回答】
「夜中」だと警察や消防の対応になります。生活保護等、行政と関係がある場合には、翌日以降の対応になります。(豊島区居住支援協議会事務局)

11.シングルマザー(ファーザー)も多い印象があるので、対象の方々への取組みや対応方法も知りたい。 

【回答】
今後、セミナー等でひとり親世帯に関する施策や民間の支援活動等の情報を提供する機会を設けます。 

12.実際と各制度、しくみ(見守りサービス)は有効に機能しているのか。(どの程度活用。件数等のデーターがあれば) 

【回答】
見守りサービスを入れると孤独死等のリスク低下を期待できます。しかしそれで大丈夫というわけではありません。 
その他のサービス(介護保険サービスの活用、民生委員・児童委員等の見守り等々)と連携させることが重要だと考えています。 
救急通報システム 令和4年新規88件、年度末317件(R5豊島区の社会福祉より)(豊島区居住支援協議会事務局) 

13.パネルディスカッションで話のあった各部署の連携の強化はできるのか。 

【回答】
居住支援に係る各部署の連携は、今後、ますます進めていく取組みです。国においても、将来的に心身の機能の変化や収入の減少等により住宅確保要配慮者になりうる者も視野に入れ、居住の安定が図られるよう取組を検討が進んでいます。(豊島区居住支援協議会事務局)

14.行政・民間で情報交換できるシステム作れないか。 

【回答】
行政だけでは難しいですが、中間的な立場の社会福祉団体とも連携することで、個人情報に十分に配慮し、高齢者の安定した生活基盤となっている情報の共有化は今後の検討課題です。(豊島区居住支援協議会事務局) 

15.何年も前から高齢者にはなかなか貸していただけないというケースだらけでしたが、今現在改善されているのでしょうか 

【回答】
不動産業者としての現場感覚ですが、以前に比べて60代、70代前半の方はかなりお部屋が借りやすくなっていると感じています。70代後半~80代の方はまだ厳しい現状があると思います。(第一部講師) 
豊島区の入居相談グループの窓口に相談に来る方は、年々高齢化してきている印象があります。厳しい状況ですが70代80代でも入居できる物件は見つかっています。(ご本人との物件に対する希望のすり合わせが必要ですが)(豊島区居住支援協議会事務局) 

関連記事